衣装の染分け。
舞台衣装を作るとき
最も大切にしているのは
運動量や機能をデザインに落とし込むこと。
次に大切なのは
質感、色調。
時代設定の時もあれば
心情設定の時もある。
SNSで
この場面の衣装は紅茶染めをしたと書くことがある。
わたしがよく使うのは
ダージリン
ルイボス
緑茶
コーヒー
★過去を出すなら
現代と過去みたいな時
過去衣装は全て紅茶で染める。
アトリエは民家をリノベーションしたのだが
工務店との打ち合わせの時に
風呂の湯船を取っ払って
洗濯場を広くするか?の提案に
湯船は残します!
と即答。
大量の舞台衣装
ドレス
は寸胴鍋に入らないから。
寸胴に入るのはシャツ、パンツまで。
本当はグラグラ煮立てられる染め釜がほしいところ。
綺麗に染めたい時は染め工場に出す→餅は餅屋
でも
時代設定だったり
心情だったりする時は
綺麗に染まったら困る。
そんな時に湯船の出番!!
まずは寸胴でグラグラと湯を沸かして紅茶を煮出す。
その煮出した寸胴の紅茶を湯船の湯に足す。
50〜100パック。
一気に煮出さず
20パックくらいずつ。
少しずつで、できるだけ煮出したいのはもちろんだが
後々の重要な仕事をしてもらうため…
一度に染めるのは仕上がりの濃さにもよるが
最高でシャツ+パンツで3セットずつ程度。
湯船に汲む湯温は最高温度の60度。
もっと熱い方が望ましいが
アトリエはマックス60度。
湯船に煮出した紅茶を入れる際は
勢いよく茶葉(tea bag)も一緒にながしこむ。
煮出している時に時間差で後から入れたtea bagは
いい具合に茶葉が緩んでまだまだ色を出す。
そうムラ染を狙っての事!!
そして2〜3日つけ置き。
すると、いい具合にシミができている。
それを洗濯機で洗うと
クタクタに着古した衣装の出来上がり!
白い生地を隣に置かないと気が付かないくらいのセピア感でも、初めから薄いきなりの生地で作ったものより、自然な色褪せに見えます。
染めてるのに色褪せ。
★汚れた感を出すなら
現代だけど汚れている感を出すなら
緑茶とコーヒー
泥汚れ感は紅茶だと優しすぎる。
そして全体を染めない時もある。
バランス重要!
コーヒーはホントに土汚れみたいな色になる。
わたしはインスタントコーヒーをつかう。
粉状よりも粒状!
粒状のインスタントコーヒの汚れ具合の方がリアル感がある。
ベースが濃い物の時はその上からスプレー
でも、なるべく使いたくない。
固くなってしまうから……
数回に分けて汚していく。
2回目でグラインダー
(電動ドライバーの先がヤスリみたいなモノ)
その後また染めて洗濯
この繰り返しでいい具合にほころびる。
私の大好きなルイボスティーを
大量に染めに使った衣装の話はまた次の機会に!
わかる人はわかるかな。あの衣装です!
質感や色調
意外と重要である。
ボロを創るのは手間暇がかかる!
アタラシトモコはそんな手間暇にこだわりる。