若杉栞南【 #一日一鼓 】
ブルーのタータンを見つめる姿をこの目に焼き付けた。その瞳に宿るいくつもの想いをひとつも溢すことなくこの目に焼き付けたかった。じっとブルータータンを見つめながら、その拳を握りしめていた...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
物語の主人公はもう決まっている。物語の舞台も。あとは主人公の目を通して世界を見つめるだけ。そのために青い世界に足を運んだ。普段は誘わない娘を誘って。今回の本はどうしても読んで欲しい人...
掲示板
こんにちは!
【 weekly-scratch #一日一鼓 Ver. 】担当の若杉栞南です!!
今週のスクラッチのご案内です!
【 weekly-scratch #一日一鼓 Ver....
若杉栞南【 #一日一鼓 】
「どんな主人公?」夕飯の時にサラリと聞いてみる。「それは読者としての質問? 作家の娘としての質問?」「昔ブルータータンを走っていた人間としての質問かな」「ではそれは読者からの質問と捉...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
美しい景色とは、どんなものだろう。いつもは気にも留めないその言葉がこんなにも気になるのはなぜだろう。過去の感触ゆえかタータンを見つめる母の目ゆえか振りまく汗すら輝いて見える選手たちゆ...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
取材に行こう、と誘ってきたのに母はタータンを弾く選手たちの声は聞かずにトラックを去った。もういいの?もういいの。取材っていつもこんな感じなの?いつも通りの取材なんて、ないの。物語の先...
#一日一鼓 壁紙無料ダウンロード企画
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若杉栞南【 #一日一鼓 】
まさか、またあのルーティンを思い出す日が来るとは思ってもいなかった。母はどこまで見えていたのだろうか。青を前に心が揺らぐことを分かっていたのだろうか。これも全部母のプロット通り?もし...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
大丈夫、大丈夫、大丈夫。足を震わす仲間にも、肺が震える自分にもそう言い聞かせてきた。2年後にはそれがルーティンとなった。スタートラインに立ちウォッチに手を添える時静かに呟く__大丈夫...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
緊張の正体への対抗の術は、自分自身を納得させること。時間が、足が、肺が許す限り走った。だから…大丈夫。だから、そう。ピストルが鳴るまでの数秒間に「大丈夫」と言い聞かせられた時は、強い。自...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
ピストルが鳴るまでの数秒間に「大丈夫」と言い聞かせられた時は、強い。緊張の正体はいつだって不安だった。その大きさは走った距離に反比例した。On Your Marksを聞くまでの、全員がラ...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
ねぇ、走れるの?そんな足を捕まれるような声が押し寄せる時がある。でも集中しようとするほど大きな音で問いかけてくるその声の正体を教える代わりにある人が言った。「緊張って英語でtension...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
負ける気がするレースというものが存在する。そして同時に、勝てる気がするレースも。リズム、メンタル、テンション。そういうものが1つでも良いと勝てる“気がする”。でも実は、その思い込みが大事...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
母はいつも物語にいて、私は対抗するように母の本を手に取らずに生きてきた。
でも、今回ばかりはつまらぬ意地を捨てて手を伸ばしたいと思った。
理由は明白だ。視線が足に馴染かけているブーツ...
若杉栞南【 #一日一鼓 】
作家としてもう歩けないと思うことないの?どうかなぁ物語の先に何が見えるのか、気にならない?私は気になるそして、その景色を誰よりも先に見られる特権が作家にはあるの母は笑った。私が見られなか...